牡蠣の採苗はホタテの貝殻を使って行われます。ホタテの貝殻に小さな穴をあけ、長さ2mほどの針金通していく作業を「殻さし」と言います。1連の枚数は70〜80枚程度。これが牡蠣の赤ちゃんを捕まえる採苗器となるため、「原盤」と呼ばれています。
牡蠣は7月から8月に抱卵します。ふ化した牡蠣の赤ちゃん(幼生)は、約2週間海の中をただよっていますが、その後海中の岩などにくっつきます。養殖ではその性質を利用して、この時期にホタテ貝の貝殻を海中に入れ、牡蠣の幼生を付着させます。
採苗した牡蠣は一度陸に揚げ海水に浸かっている時間を短くします。そうすることで、稚貝を鍛えることで、弱い稚貝を脱落させ、丈夫で強い牡蠣だけが厳選されます。
11月から2月にかけて旬を向かえます。
収穫し陸揚げした牡蠣は出荷するまで「洗浄」「みがき」「選別」「浄化」を行います。
牡蠣は周囲の環境によっては細長くなったり丸くなったりと殻の形がいびつなので、剥き子と呼ばれる方が1個ずつ貝柱を切って殼を開け、中の身を取り出します。殻がいびつな為、中身を傷つけないように熟練の技が必要となります。剥き身は滅菌海水で良く洗いし出荷されます。